CANTERA NOTE

求める人物像の紹介を増やす為に必要な鉄則

求める人物像の紹介を増やす為に必要な鉄則

人材紹介会社が優先して紹介したくなる企業とは

紹介会社から求める人物像の候補者を紹介されない理由の一つに、「紹介会社内での優先順位が低い」ことが挙げられます。そもそも紹介会社がどれだけ求人数を扱っているか考えてみてください。求人数NO.1と言われているリクルートエージェントが扱う求人数は、2020年3月25日時点で公開求人数137,920件、非公開求人は155,864件、合計約30万件です。現在はコロナの影響により数は減っているかと思いますが、それでも数は相当な数があるかと思います。

その中でいかに紹介会社からその会社の登録者に紹介したくなる求人になるか、優先順位を高めるかどうかというのがポイントです。紹介会社が優先順位を上げる企業の特徴
1:人気企業ランキングに入る有名な企業
2:候補者に案内したくなる職場環境の魅力を持った企業
3:紹介手数料が高い企業

人気企業ランキングに入る有名な企業

企業の説明をせずとも魅力は知られており、その求人をきっかけに紹介会社への登録者が増えます。結果、紹介会社にとってもっとも欲しい求人情報と言っても過言ではありません。実際、私が人気企業ランキングに入る外資戦略コンサルティングファームで人事をしていた時には、求人を扱わせて欲しいと営業されることは日常茶飯事でした。それだけ、名前が知れている人気企業の求人は扱いたいんです。

ただし、いくら人気企業ランキングに入る企業といえども、1年中募集をしている、紹介会社から扱わせて欲しいという要望に対して安易に求人依頼を増やしてしまうと、その求人は価値を失うので要注意です。求人の価値は世の中に流通していない求人であればあるほど、高まります。

具体的に、常に紹介会社が優先順位を上げた状態の価値を保てるのかという方法ですが、私がお勧めするのは「紹介会社を特定の3社に絞り、募集してから募集終了時期の期間を1ヶ月以内にできればすること」です。市場に出てこないレアな求人でありながら、短期決戦ですぐに決まってしまうとなると、その1ヶ月以内に、該当する候補者を優先的に紹介していただけます。「求人が出たらすぐに紹介しないとこの求人は終了してしまう」と思われることがポイントです。そして実績ができたら、「この求人は御社だけにお伝えします」や「どの紹介会社よりも御社に先にお伝えします」と言えるような関係になることが重要です。人気企業という会社名に甘んじることなく常に紹介会社の担当者のモチベーションを上げることが大事であることを肝に銘じてください。

候補者に案内したくなる職場環境の魅力を持った企業

先ほどは就職したい人気企業ランキングに入る有名な企業の場合をお伝えしましたが、人気企業ランキングに入っていない場合、紹介会社が登録者に伝えたくなる特徴が必要です。分かりやすいところでは、オープンワーク株式会社の転職・就職のための情報プラットフォーム「OpenWork」が毎年行なっている「働きがいのある企業ランキング」に入っている会社であると伝えやすいです。何故ならば、実際の社員の口コミも掲載してあり、候補者に案内する職場環境の情報が多いことが特徴です。その情報とは大きく5つ。「組織体制・企業文化」「年収・給与制度」「入社理由と入社後ギャップ」「ワークライフバランス」「女性の働きやすさ」。求める候補者を紹介してもらうには、この5つの情報を整理し、その中で他社と比較して魅力に感じてもらうことが大事です。また、まだ創業して間もない会社や口コミ数が少ない場合、上記の5つの観点で働きがいのある企業ページを作成することをお勧めします。

紹介手数料が高い企業

人気の職種ではない、働きやすい要素は他の会社と比較しても大差がない。そのような場合は紹介手数料を上げることで優先順位が上がる場合があります。実際、候補者がなかなか集まりにくい職種の採用を私が行なっていた際に、紹介手数料を一時的に30%から50%まで上げた時に紹介数が爆発しました。紹介会社の担当者に理由を聞くと、紹介会社の取引すべき会社トップ10として会社の壁に張り出されていたそうです。そして上司やグループ内での協力体制が一気に強くなったと。その結果、紹介会社内で候補者と会うキャリアアドバイザーたちからも私の会社の説明会に参加したいという声も出たほど。大手の人材紹介会社だと、候補者と会うキャリアアドバイザーと企業人事と会う営業は別の人になるため、候補者と会うキャリアアドバイザーにまでいかにこの求人を紹介するべきなのかということをしてもらう必要があります。

紹介手数料を上げるのは会社の利益に影響するので、あくまで一時的施策ですが、実施してみると変わるので手立てがなくなったという場合は、最後の手段としてこちらをお勧めします。

 紹介会社から求める人物像の候補者を紹介されない理由

  紹介会社から求める人物像の候補者を紹介されない理由として他に、「紹介会社の担当者が求める人物像を理解できていない」ことがあります。また、企業側の求める人物像の要望が多く、満たす人材が転職市場にほとんどいない、などの理由があります。こちらも記事を今後書いていく予定なので良かったら読んでみてください。そして、「紹介会社から紹介される人は求める人物像の候補者しか来ない」という嬉しさを実感できる人事になりましょう。

Written by

AzusaMiura
CANTERA ACADEMY3期卒業。大学院卒業後、株式会社リクルートに就職。営業、商品企画、人事と計10年勤務。退職後、A.T Kearney株式会社に人事責任者として就職。その後独立し、フリーの人事コンサルタントとして活動。同時に株式会社TORCH COO就任。ベンチャー企業の経営陣採用や新卒、中途の採用設計から運用まで幅広く関わる。面接した人数は合計1万人以上にのぼる。2020年1月末に夫の海外赴任に帯同しブラジルへ。2020年11月世界中の駐在妻・元駐在妻・プレ駐在妻を応援し、共に成長するコミュニティ『駐妻キャリア net』の代表就任。転職ノウハウブログ『駐妻 本気の転職術』を執筆。話し方研究所プロフェッショナルインストラクター。慶應義塾大学大学院SDM研究科研究員。LinkedIn公認クリエイター
初心者でも安心。
現役人事が全面サポート

日本初のCHROアカデミー
「CANTERA(カンテラ)」
戦略人事を実現するための知識と
スキルを体系的に学べます。