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イケてる採用面接の仕方

イケてる採用面接の仕方

合意の無い期待値が溢れている面接の罠

ヒントになるのは、とてもお世話になっている東証1部上場のさくらインターネット田中社長が寄稿された「社会人の不幸の8割は合意の無い期待から」にあると思っています。

上司と部下の合意の無い期待値は、面接から始まっている

田中社長の記事をご覧いただけると、上司と部下における双方合意のない期待値が起因する罠についての内容であり、日々組織で起こる課題の多くが合致すると納得しました。

その上で感じたのは、企業様の人事支援をしている立場から多く散見している合意の無い期待値のズレは、そもそも採用面接時から始まっている事でした。当たり前の事を実直にやり続ける事こそが採用成功の近道であり、これが出来ている採用担当者が少ないという件。

私も同感であり、かつその基礎的な部分にフォーカスし支援する事が多かったのですが、理解しやすく言語化すると合意の無い期待値の採用面接という言葉が妙にしっくりくる感覚がありました。今回の投稿では、この合意の無い採用面接に至っている代表的な事象について触れたいと思います。

面接官として「デキる人」「できない人」の特徴

単刀直入に言うと、デキる面接官は会社に適切な人を採用します。デキない面接官は自分が好きな人を採用する。ここが明確に違いますし、これでは応募者も採用者も互いの期待値が合致する等不可能です。「会社に適切な人」というのは、会社は今どんなフェーズにあり、その中でどのような経験・スキル・能力を有する人が高い生産性を実現できるのか。そういった状況から判断した人物像のことを指します。その上で、求めている人物像が入社したら、組織としてどのような生産性を上げられるのかまで設計するのが、できる面接官です。だから、最高のタイミングで適任者を現場に送り込むことができる。業績を伸ばしている企業には必ず、設計できる面接官が存在してます。

人は、自分と合う人や好きな人を選んでしまう癖がある

人はどうしても自分が好きな人に興味を抱きます。必ずしもその人が会社に合うとは限らないのに、なんとなく「自分の会社に合いそう」とか、「自分と気が合いそう」という感覚で判断しがちです。こういう個人に依存した面接をすればするほど、面接官ごとに採用する基準が異なり、本来入社してほしい人材の採用は遠のいてしまう。そうなれば、会社にとってもプラスの影響は見込めず、業績にも影響が出てきます。最悪の場合、本来必要となる人材不足による業績不振にも陥ってしまうのです。

だからこそ、人事担当者は「会社に適切な人」を見極められる面接官のスキルの体得と、複数の面接官が同様の面接力を再現する運用力が必要です。

業績を伸ばしている企業だったり、業界を第一線で引っ張っている企業だったり、優秀な人材が数多く在籍している企業の人事担当者は皆、自分に「合う・合わない」で採用するようなことは一切していません。

先ほども言ったように、求める人物像を明確にして、経験スキルや能力を分析した上で採用する。この為に必要な運用を地道に徹底しているから優秀な人事と言われるのではないかと、皆さん、口を揃えておっしゃいます。異なる言い方をすれば、特別な方法を用いている訳では有りません。

実直にやり続けられる人事が殆どいないというのが真実です。ある企業では、面接者に適性テストを受けてもらって、一次面接で聞くこと、二次面接で聞くこと、三次面接で聞くことを面接シートで明確にし、かつ、面接者は、どの部署と上司の関係なら1番能力を発揮できるのかを、月報の結果をさかのぼって分析し、データに出すところまでやっています。論理的に採用活動を行うから、高い生産性をもたらす人材を採用することに成功しているのです。

Written by

horio
CANTERA責任者 兼 講師 (株)All Personal代表取締役CEO 1973年北海道生まれ。1994年(株)リクルート入社。2004年ソフトバンクBB(株)入社。ソフトバンク通信事業3社を兼任し、営業・技術統括の組織人事責任者に従事。2012年グリー(株)入社。国内の人事戦略、人事制度、福利厚生、人材開発の責任者を歴任。2014年より東京東信用金庫に入庫し地域活性化に従事。2017年6月(株)AllDeal創業。2018年11月、(株)All Personalに社名変更。
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