CANTERA NOTE

スタートアップ採用のTipsゼロ地点

スタートアップ採用のTipsゼロ地点

「スタートアップ=キラキラ」という幻想

一方で、私自身がスタートアップで働いてみた実感として、これらの言葉はこう言い換えられると思っています。

・スピード感 → 変化がめまぐるしすぎて毎週違うことをしなくてはいけない
・革新的 → 今までなかったものをつくる=ニーズが追いついていないこともしばしば
・一からつくる → 制度も仕組みも何もないカオスを切り開く毎日
・裁量が持てそう → 事業が伸びるも伸びないも自分次第というプレッシャー
・楽しそう、イケてる → 毎日することは泥臭いことばかり

スタートアップを経験された方はきっと頷いているはず。広く持たれる印象と現実に大きな乖離があることが分かります。

立ち上げフェーズの企業において最も重要な「ベンチャーマッチ」

特に立ち上げ期ともいえる組織においては、一人ひとりの働きぶりは会社の業績に直結しているともいえるでしょう。
そんな中キラキラな印象を持ったまま入社し、理想と現実のギャップを感じ退職。ミスマッチを採用において見抜けないことは、小さい組織であればあるほど大きなダメージになります。
一口に”スタートアップ”といっても採用要件は様々。しかしながら全てに共通していてなおかつ最も重要な要素は「ベンチャーマッチ」という資質だと考えています。
前項ではスタートアップの特徴をネガティブに記載しましたが、変化の激しくカオスな環境だからこそ得るものは多いですし、大きく成長できるのも事実です。しかしながら誰しもがこう捉えられるわけではなく、この言い換えをできるかどうかがキーポイントとなってくるでしょう。

リアルをありのまま伝える

採用選考において、企業の正しい姿を候補者に伝えることは絶対に心がけたいポイントです。採用はJudge(見極め)とAttract(動機づけ)の両方を進行しますが、真実を伝えることは、「真実を受け入れられるかどうか」のJudgeの意味合いはもちろん、「こんなリアルを伝えてくれるなんて誠実な会社だ」というAttractにもなり得ます。
伝えるべきリアルとして、例えば10名までのような立ち上げフェーズの組織では、PMF(プロダクト・マーケット・フィット)すらできていないことがほとんではないでしょうか?経営陣の描くビジョンはぶれなかったとしても、実際にプロダクトやサービスを形にし、売れる状態にするまでには毎月、毎週経営方針が変わることも当たり前な環境です。
「セールスとして採用したけど、別部署にいってもらわないといけない」
こんなことが起こる可能性も伝えた上で、ミッションの達成に向けて変化に柔軟に対応できる人かどうかを見極めることは必要不可欠です。

一緒に船を漕いでくれる人かどうか

前項でも伝えた通りスタートアップ企業は常に不確実なものに囲まれていて、どこに進むかも分からない小さな船のようなものです。「あわよくば事業の成功にあやかろう」とはなから漕ぐ気のない人を乗せてしまえば、船のスピードはぐんと下がってしまいます。
また、自分の役割”だけ”を全うしようとする人も小さな船のメンバーには適さないでしょう。何かトラブルがあった時には「漕ぐだけじゃなくて、船の修理をします!」そう言える人たちでないと、たちまちその船は沈んでしまいます。
どこに行くか分からない。だけど自分の手でゴールを目指したい。そう思える人を採用しましょう。そんな人達ばかり採用できれば、きっとその船で遠くに行けるはず。

採用の入り口は大きく魅力を最大化して伝える

厳しいジャッジが必要とはいえ、スタートアップ企業において採用は常に課題なのではないでしょうか?
知名度もなく環境も整っていないからこそ、採用の入り口は大きく、魅力は最大化して伝える必要があります。
スタートアップ企業に就職する最大の魅力は、やはり組織における一人ひとりの役割が大きいからこそ成長できる点だと考えます。
例えば求人媒体に掲載するタイトルひとつにしても、自社のことを全く知らない人にも興味を持ってもらうためには、自社で働くことで得られる「ベネフィット」を明確に伝えることが大切です。
この会社に入り、このポジションに就くことでどんなスキルが身につき、どんな将来が実現できるのかをイメージさせてあげなくてはいけません。
  
もう一つスタートアップ企業に就職する魅力として、前項で述べたように「どこに行くか分からない船」に乗れるという点だと思っています。どこに行くか分からない=どこにでも行ける、とも言い換えられるのではないでしょうか。
不確実の海の中を、支え合い助け合いながら進んでいく。その楽しさと先にある可能性はきっと他の企業では味わえないほど大きなものでしょう。
採用一つで組織が生きるも死ぬも決まるといっても過言ではないほどの採用活動は日々苦難の連続でしょう。だけどあなたの手で組織を作り上げられる、そうも言えるのだから「採用」はやりがいがあって楽しいものです。
たくさんの採用活動におけるTipsも大切ですが、この記事で述べたスタンスの話がスタートアップの採用に携わるみなさんに少しでも何か学びとなれば幸いです。

Written by

ReiIkeda
CANTERA ACADEMY9期卒業。 大学卒業後就職せず結婚、子育てで過ごし26歳にてキャリアをスタートしました。デジタルマーケティング会社で採用・広報に携わった後、より組織を一からつくり上げられる環境に行ってみたいと感じ、2019年12月株式会社Nateeに採用担当として入社。現在では人事として未経験ながら奮闘中です。
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