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この時代に、女性活躍推進について考えてみた

この時代に、女性活躍推進について考えてみた

なぜ女性の活躍なのか?

ここまで現状の数値とは遠い目標を設定してまで、そもそもなぜ女性の活躍が着目されるのでしょうか。

労働人口の減少による労働力の確保や、VUCAの時代を生き抜くにあたり、創造性を高めイノベーションを創出するため、あらゆる人材が活躍できるようなダイバーシティ&インクルージョンを推進することが求められる時代となってきました。

そのような中での「属性的な」ダイバーシティとして、まず直面する「マイノリティ」の1つが女性です。今後は女性に限らず、外国人や障がい者の雇用など、多様な人材を活かしていくことも求められる中で、女性の活躍はまさにその入口なのです。

さらに、今後は定年延長などの影響により、親のみならず、配偶者などの介護を行うケースも出てきています。そうなると、育児中ではない方であっても、「多様な働き方」と向き合う可能性は高まることとなり、ひとごとではなくなるでしょう。

なにが妨げているのか?

主な阻害要因は主に以下の4つが考えられます。

1.仕事と家庭のバランスの難しさ

家事育児の負担が重く、パートナーとの負荷の差が大きい。パートナーの長時間労働の常態化や、理解不足から、協力してもらえない。

2.労働環境の不整備

会社の制度として、短時間勤務や在宅勤務などの自由な働き方ができない。産休・育休が取りにくい雰囲気。

3.無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)

上司から女性に対し、育児中は負荷の高い業務は任せない方が本人の為だと思ってしまう。また女性本人も、男性が多い中では女性がリーダーとなって周りを引っ張ることは難しいと思ってしまうなど、周りの人のみならず、本人にも無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)がある。

4.本人の不安意識

育児をしながら仕事も頑張りたいと思っている場合でも、周りにロールモデルがいない、あるいは周りにいる育児の中で頑張っている先輩は自分とは異なるスーパーウーマンだと感じ、いざ1つ上の責任ある役職に就く・昇進する、という話があった際に自信がなく不安に思い、遠慮してしまう。

変化をもたらすには?

阻害要因を改善するには、インフラとしての制度を整え、ロールモデルの紹介や会社・地域の育児サポートなどの情報共有を行い、不安を軽減することが重要です。

しかし、どれだけ制度を整えても、社員の意識を変えることはなかなかすぐにはできません。ある程度時間はかかるかもしれませんが、以下3点を浸透させていくことが大切となります。

1.キャリアを長期的な視点でとらえる

育児をしているうちに、業務の前線から外れてしまったと感じ、仕事に対するモチベーションが低下してしまうなど、直近の状況や育児との両立の不安から、自身の今後の可能性を早々に諦めてしまうのはもったいないことです。社会人生活は長いので、たとえ今は育児などに多少時間が取られたとしても、負荷が少し軽くなった時点からでも、また巻き返していけばよいのでしょう。

2.偏見の存在を認識し、「違い」を認める

男女に限らず、「自分と似ている人たち・似ていない人たち」とカテゴリー分けした時点で、無意識の偏見は起こります。日常の中にある、そのような偏見の存在を認識し、自分の価値観を押し付けるのではなく、「違う」ことを容認するとよいでしょう。

3.「共通の目的」を分かち合う

異なる考え方・価値観を持つメンバーの間で、「共通の目的」すなわち組織のミッションやビジョンを共有することで、それぞれ違うけれども、共通の目的を達成するために協力し合おうと思えるようになります。「共通の目的」を分かち合うことができる組織こそ、良いチームワークと高いパフォーマンスを実現することができるでしょう。

さいごに

そもそも、価値観はみんなさまざまです。違いを認め合いながら、お互いを尊重できるような関係性を築くことで、自身のキャリアを諦めることなく多様な働き方を実現しながら、いきいきと働くことが当たり前になっていけばいいなと思っています。

Written by

Ami_Michiura
CANTERA 12期卒業。 大学卒業後、製造業に入社し、営業を経て人事に異動。人事評価や昇格制度、異動などを担当。女性活躍やシニア層活躍などのプロジェクトも推進中。 従業員の働きがいと事業の成長を実現できるよう、日々勉強中です。
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