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テレワーク環境下で、経営者や管理職が認識すべき環境変化とマネジメントの5つのポイント

テレワーク環境下で、経営者や管理職が認識すべき環境変化とマネジメントの5つのポイント

テレワークはもはやトレンドではなくこれからのスタンダード

「早くコロナが収束して、元の働き方に戻らないかなぁ…」そんなことを思っている管理職やマネージャーの方は多いのではないでしょうか。

コロナによって一変してしまったリモートワーク環境下では、「部下がしっかり仕事をしているかわからない」「仕事の与え方がわからない」「コミュニケーションがうまく取れない」などの悩みを抱えている管理職は全体の半数を超えています。

管理職の不安

そんな中でもテレワークを実施している企業は増加しており、東京商工会議所の調べによると、緊急事態宣言後にテレワークを実施し始めた企業はその前と比べて倍増。直近でも全体の半分がテレワークを実施しているという状況が続いています。

テレワークの実施状況

実はアメリカでは9.11以降、急速にリモートワークが加速し、現在では全労働人口の1/3がリモートワーカーであると言われています。

あわせて近年、ZOOMやTeamsなどのオンライン会議システムや、Slackなどのコミュニケーションツールの技術革新により、テレワークに対して前向きでテレワークという働き方を今後も希望するという労働者が増加しています。

実際にアメリカのSNS管理ツールのスタートアップ企業であるBufferによる調査である「2019 Report: State Of Remote Work」によると、調査対象2500名中99%が「リモートワークで働きたい」という回答を出しています。

日本でも若手を中心にテレワークができる企業が人気が出ている実態を考えれば、テレワークはもはやトレンドではなくこれからのスタンダードであるといえます。

テレワーク希望

状況が変わればマネジメントも変わる

このような環境変化の中で、状況が変わっているにもかかわらず、マネジメントが変わっていない管理職や会社は多いのではないでしょうか。

状況(環境)が変われば、おのずとマネジメントを変化せざるを得ません。私が参加していた「エッセンシャル・マネジメント・スクール( https://essential-management.jimdofree.com/ )」という本質行動学を学ぶマネジメント・スクールでは「方法の原理」というものを学びます。

方法の原理とは「方法の有効性とは(1)状況と(2)目的によって変化する」ということなのですが、つまり会社の目的は変わっていなかったとしても、状況が変われば手段や方法を変えなければ有効な方法にはなりえない、というシンプルながら非常にパワフルな理論です。

実際にこのコロナショックで起きた変化、つまりオフィスワークとテレワークでは状況が異なりますので、実際に実行するマネジメントの手法も変えていく必要があるのです。

オフィスワークとテレワークでは常識が異なる

上記の図のように、オフィスワークとテレワークでは環境が異なります。

通勤がなくなり、物理的に同じ空間にいるのがオンライン上になり、紙は電子データになり、時間管理や進捗管理は成果管理になり、コミュニケーションも即時対応から少しタイムラグが発生しがちです。

このような変化が起きているということは、仕事の進め方の前提や常識が全く異なると思ったほうが良いでしょう。

マネジメント手法も異なる

前提となる常識が異なるならば、マネジメントの手法も異なります。大きなポイントは5つです。

1.目標管理→目標・成果管理

目標管理については目標管理+成果管理に変化していくでしょう。
特にオフィスワークの時は目の前で仕事を確認し、次の仕事を割り振っていたマネージャーは目標管理と進捗管理で苦労しているはずです。

最近はJOB型(ジョブ型)を取り入れようとする企業が増えていますが、JOB型が万能なのではなく自社の状況に合わせて検討することが重要です。
JOB型についての知見はこちらも
目標管理や仕事の与え方がわからないといったことに頭を悩ませている管理職へのシンプルな提案としては、月単位、週単位、日単位で何をやるのかを明確にすること。そしてそれを「見える化」することです。

2.進捗管理→自主管理・見える化

仕事の進捗管理は基本メンバーの自主管理、そして見える化することによってチーム内で仕事の進捗を把握し合い、チーム内連携を高めていく方向に向かうでしょう。

これまでのようにマネージャーが仕事をすべて把握し、進捗を管理するスタイルではテレワークでは対応できません。

そうではなく、仕事を棚卸しし、一覧化して見える化し、管理職とメンバー個人しか知らない状態ではなく、チーム全体に構成員すべての業務と進捗が見える状況を創り出します。

そして重要なのは、チームメンバー同士で進捗を「管理」ではなく「応援」し合える環境を創るのです。

3.チーム管理→相互支援・信頼関係構築

チーム管理はマネージャーが指揮を執るのではなく、チーム内で相互支援しながら、チーム内の信頼関係を紡いでいく方向に向かうでしょう。

それぞれの仕事が見える化することで、仕事の停滞や危険信号がわかるようになります(進捗が危い仕事は報告しやすい環境を創るのが重要)。

そうすることによって、チーム内で相互に助け合うことで仕事が達成していく状況を創り、そして助け合いながらお互いに感謝をし合えるチームにしていきます。そして進捗管理や相互支援を「定期的」にフィードバックし合う場を創ることで育成し合える環境も作ります。

4.人材育成→相互フィードバック・経験学習サイクル

人材育成もマネージャーだけの仕事ではなく、チーム間で相互にフィードバックする場を設けながら、個人と組織が経験学習サイクルを回しながら成長できる、自律自転の組織形態へ変化することが求められます。

具体的には中尾隆一郎氏著作の「自分で考えて動く社員が育つOJTマネジメント」の事例でも紹介された「グループコーチング」の手法を用いるのも良いでしょう。

これは週に1回4名1チームで集まり、それぞれの週の出来事と振り返り(内省)を5分程度で報告。そして報告後には聞いていた他の3人から感じたことをフィードバックするといった手法です。

これは本人の内省に対し他者からのフィードバックを与えることによって、自分一人では気づかない自身の良さや強み、目的達成のための現状の課題に気づくことで、学びを最大化する手法です。

デービット・コルブの経験学習サイクル(経験→内省→概念化→転用→経験)をこのグループコーチングによって自然と身につけることができ、さらにこの場を通じてチーム間の信頼関係、仕事のコミュニケーションが深まるという効果があります。

5.モチベーション管理→コミュニケーションの活発化による自律自転の組織づくり

モチベーション管理もマネージャーが行うのではなく、メンバー同士が相互支援やグループコーチングを通じてコミュニケーションを活発化させ、自ら目的・目標を設定してもらいます。

またメンバーが目的・目標とのGAPを捉え、課題を設定し、PDCAによる改善と、経験学習サイクルによる自己学習を促進することにより、自律自転の組織づくりを目指していくことが求められるでしょう。

よってマネージャーの役割は指示・命令を出すことではなく、方向付けをしながらメンバーがいかに働きやすい環境づくりをつくれるか、ということに重点がおかれるようになるでしょう。

自律分散

先進的な事例を挙げると、「NP後払い」で話題のネットプロテクションズ社では、数年前から自律分散的な組織をつくるには、全員がマネージャー的な自律性が求められるとしました。

既存のマネージャー職を廃止し、各部署における「情報」「人材」「予算」の采配権限として「カタリスト」という役割を従業員の10%程度の人員で設置しています。

これは旧来の「指示命令系統」で組織を動かすのではなく、「自律分散」的な自律自転の組織づくりを目指してのことです。

実際に自律分散の組織運営には手ごたえを感じている様子で、私の知る社員の皆様も若くして非常に優秀、そして組織も関係性が強くパワフルに運営がなされています。

アフターコロナの世界の働き方とは

正直、アフターコロナの世界の働き方がどうなるかはわかりません。

しかし、この2020年。コロナショックによって人の働き方はもちろん、存在意義までを問われた企業は少なくないと思います。

本質的に大切なものは何なのか。価値あるものとは何なのか。個人と組織、組織と社会の関係性はどうあるべきなのか。非常に多くの問いが降りかかってきた一年だったと思います。

この1年の経験を経て、世界はどう変わるのか。世界が学習する生き物であるならば、これまでとは異なる道を歩むような気がしています。不確実な世の中を生き抜いていくために、私たちも常に環境に適応していく柔軟性を身につけておきたいものです。

この記事が皆様の気づきの一助となれば幸いです。

さいごに〜酒匂さんにとっての2020年を総括すると?〜

2020年は激動の一年でした。どこの企業もコロナショックにより社内の体制が一変。私が関わる人材育成や採用活動は軒並み方向転換を迫られました。

しかし、こうした変化の中でこれまででは取り組めなかった社内変革の動きや、新しい働き方へのチャレンジが生まれてきているのも事実です。

例えば、改めて自社の存在意義やMVVを捉え直す機会になったり、組織構造を環境変化に合わせてドラスティックに変化させたり、働き方自体もフルリモートワークにチャレンジするなどです。

もちろんこうした動きは最初からうまくいくわけではありません。状況が変われば方法や手段は変わる。つまりこれまでとは異なる動きをしなければうまくいかないことばかりです。

しかし、その変化に敢えてチャレンジし、これまでにはない手法を確立させようとしている企業は環境に適応し、今後さらに生き抜いていくことでしょう。

私も2020年は「強みに集中し、関心の高い取り組みのみ行う」という決断をしました。その結果、今年は一時落ち込んだものの、現在では年初よりも良い状況になっています。

変化への対応とチャレンジが新しい可能性を切り開き、人生の中でも思い出に残る一年を締めくくることができそうです。 みなさまも、良き2021年を迎えましょう!

マネジメントに関して学びたい方はこちら。
【執筆者も講師を務めております】

Written by

Mitsuharu_Sakoh
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