CANTERA NOTE

偉大な企業へと飛躍するために「だれをバスに乗せるか」。原理原則に従って実行して思ったこと

偉大な企業へと飛躍するために「だれをバスに乗せるか」。原理原則に従って実行して思ったこと

バスに乗せる「適切な人材」を選ぶには

同書の第3章に

偉大な企業は、適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、次にどこに向かうべきかを決めている。

という一文がある。

たった一文ではあるが、この中には

・適切な人をバスに乗せる=「採用」
・不適切な人をバスから下ろす=「評価・適材適所・代謝」
・次にどこに向かうべきか決める=「理念(目標)」

といった要素が込められている。

ここで注目したのは、バスに乗せる「適切な人」という表現だ。同書には“どういう人が「適切な人材」なのかは、専門知識、学歴、業務経験より、性格と基礎的能力によって決まる。”と記載がある。この1文を読んだときに、サイバーエージェントの採用基準が思い浮かんだ。

素直でいい人

引用:FEATUReS サイバーエージェント公式オウンドメディア

サイバーエージェントは本当に基本に徹するすごい企業だ。だから強い企業なのだろう。「21世紀を代表する会社を創る」という理念のもと、ビジョナリーカンパニーになるべく着実に急速に成長している。なるほど、この採用基準は「適切な人材」を見極めるための言葉だったのか。

これを参考に、当社でも採用基準を決めた。

誰かのために生きる才能のある人

この大前提をつくってからは、この基準に当てはまりにくい人は採用されない仕組みになった。組織としては、自己成長だけを考える人よりも、お客様の成長を自己成長に考えられる人が増え、自分本位な考え方の人は居づらくなり、退職に繋がるケースも多くなった。バスがスムーズに前に進むようになった感覚がある。

採用の大原則「迷ったら採用するな」

また、同書では、この採用の大原則に関して

疑問があれば採用せず、人材を探しつづける。

と記述されている。

これほどに難しいことがあろうかと採用活動をしていてつくづく思う。どうしてもスキルがある方と出会ってしまうと、業績が上がる可能性を考えてしまい、例え人柄の面で懸念があったとしても採用しようとしてしまう。人柄面の懸念は、見極めにくいから輪をかけて難しい。最近も、不合格にする勇気が持てなくて最終面接の社長に委ねることをやってしまった。

事業サイドの面接官には、そういう場合は、「迷ったら通す(合格)」ように伝えている。しかしCHROや人事責任者であれば、こういった時に砦にならなくてはならない。不合格が出せるほどに経営者である代表とのすり合わせに時間をかけておいた方が良い。どういった人を不合格にしたのかを人事と経営者で議論するだけでも大きく違うだろう。

迷った場合はこの方を採用することで起こりうるメリット・デメリットを整理すると良い。数値的な実績と定性的な部分を踏まえて「業績的にはこれくらいの売り上げが見込めるが、チームメンバーの誰々とのコミュニケーションで不手際が起きそうだ」といった整理をおこなうのだ。ちなみに、このデメリットはかなり高い確率で実際に起こると思った方が良い。その場合の対処法があるのであれば、採用しても良いかもしれない。

適切な人材をバスに乗せ“続ける”難しさ

採用に関連する点として、同書には以下のような記述もある。

成長の最大のボトルネックは何よりも、適切な人びとを採用し、維持する能力である。

適切な人材を採用したら終わりではない。入社したら定着させ活躍へ、という流れまでが人事が関与すべきオンボーディングであると私は考える。それぞれを点で捉えるのではなく、採用→入社→定着→活躍を線で考え、一人ひとりに対してオンボーディングプログラムを走らせることが勝ちパターンだろう。

また、離職を防止するために離職に至った要因分析を行うことは案外見落とされがちだ。私自身も“維持”に目を向けずに反省していた時期が結構長かった。この離職に関しては、以下の記事が良記事だったので参考に読んでいただきたい。

離職率防止策の要は要因分析 | CANTERA NOTE(カンテラノート)

企業の成長を担う「採用」の重要性

また、同書の第3章にはこんな記載もある。

成長を担う適切な人材を集められるよりも速いペースで売上高を増やしつづけながら、偉大な企業になることはできない。

偉大な企業へと成長するためには、人材が欠かせない。人事として採用を担う重要性を改めて感じる。

Written by

Ayako_Yokoyama
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