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人事マネージャーとして入社した際、組織の状態をみるために実践したこと

人事マネージャーとして入社した際、組織の状態をみるために実践したこと

私は今の組織に人事マネージャーとして入社して1年半ほどです。入社直後は会社のことや組織のことがつかめず、早々にキャッチアップをしたいと考えていました。同時にどのような社員がいるのか、会社に対してどう考えているのか知りたいと思い、入社早々に役員へ従業員満足度調査と人事面談を全社員とさせてほしいとお願いしました。

現在は、年2回の従業員満足度調査による定量分析と年1~6回/社員で人事面談を実施しています。今回は組織をみるために行ったことや行う際に気を付けたことを書いてみます。

 

従業員満足度調査と人事面談を実施した理由

私は人事マネージャーとして入社したのですが、会社のことがほとんどわからない状態でした。まずは会社のことを知るために、下記の2点について調べることにしました。

1.会社のビジネスの状況、中長期計画、組織の方向性
2.社員一人ひとりについて


1に関しては役員にヒアリングしたり、いろんな資料をみせていただいたりしていましたが、いまいちピンとは来なかったので、入社から3か月間は毎日役員と面談を行っていただきました。そうして徐々に状態や課題がみえてきました。

2に関しては、社内にどんな人がいて、何をモチベーションに働いていて、組織に対してどう感じているのかなどリアルな話が知りたいと感じました。役員は組織上の課題をみてはいましたが、やはり一人ひとり全員を知ることは難しいと思いました。私の役割は役員と従業員の間で水を運ぶことだと感じたので、これを実践してみようと思いました。

そのため、定量的に知る従業員満足度調査と定性的にみる人事面談を導入することにしました。

 

従業員満足度調査

導入に際して、以下を検討しました。

 

・時期

月1回・Qに1回、半期に1回、年1回などを考えたのですが、やはりリアルな声をできるだけタイムリーにキャッチすること、サーベイがやらされ感あるものや忙しい現場での不満につながってしまってはよくないと考えたので、まずは半期に1回実施することとしました。

 

・運用方法

サーベイサービスも複数比較検討しましたが、結局まずは手軽に設計でき、質問項目など汎用性の高いGoogleフォームで行うことにしました。フォーム発信時には回答にかかる予想所要時間(約10分)を付けて配信しています。そのことでできるだけ高い回答率を得たかったのです。

 

・質問項目

ここが一番悩みました。質問項目が多すぎてもサーベイ自体を重たく感じられてしまうことが懸念されたので、20項目までにしたかったです。その中で、本人のモチベーションにかかわるもの、コンプライアンス意識にかかわるもの、会社全体への満足度という3つを入れたかったので、文言を検討し選択し、代表だけでなく各部門の幹部へ意見を求めたりして修正していきました。

 

・結果の活用

結果をいくつかの軸で分析をしています。
・前回のサーベイからの結果数値の上下
・目安ポイントからの差異(※目安ポイントはサーベイを始める前に目安を定めた数値)
・フリーコメント内のキーワード分析

上記を全社、部門と両方行い、レポートとしてまとめました。

 

人事面談

組織の定性面を知りたい(そして、社員一人ひとりを知りたい)ということから、人事面談を始めることにしました。

人事面談で話していることは大きく以下3点です。
・健康面:最近の体調で気になることなどないか、など
・業務面:業務内容、業務の量、業務の質
・組織面:自部門、全社など単位は不問で「今の組織がもっとよくなるには何があればいいと思いますか?」と聞いています。組織について思うこと、という質問だと欠けているところに目がいってしまう恐れがあるので上記のように聞いています。

人事面談で話していただいたことは、そのまま上長へ伝えるのではなく、上長へ伝えた方がいい内容に関しては、伝えてもいいか確認をしてからにしています。でないと、今後本音を安心して話してくれなくなることもあると思うからです。話さないでほしいということは話しません。

でも、改善してほしいこととして複数の同じような意見がでた場合は、やはり改善策を練る必要があります。上長には「最近、他の会社さんからきいたことがあるんですが、○○ってこちらの部門で見聞きしたりしてますか?」と逆に思い当たる節がないかという質問にしてみるなどしています。

 

組織を定量面、定性面で見て行っていること

満足度調査でみえた定量面と人事面談でヒアリングした定性面も合わせたレポートをまとめ、役員や幹部への報告だけでなく、各部門のマネージャーへの個別フィードバックタイムを設け、事実を伝えてどうするか一緒に考えています。

その際に、部門によっては、こんな研修を入れさせてほしい、という話をもらうこともあります。研修や取り組みを一緒に考えて、少しずつでもいいと思う方向に進めるように取り組むこと、また全社的に必要なものは制度として検討します。

組織をみることは、常に答えがあるわけではありません。しかし、大きく見誤ると組織を白けさせることもあるので、できる限りリアルな状態を定量面と定性面でみるようにしています。

今回は、組織のリアルをみるという答えがあるものでもなく、現在も継続している私も手探りでやっていることを書いてみました。参考にしていただけると嬉しいです。

Written by

IzumiHiraoka
CANTERA ACADEMY2期卒業。 大学卒業後、大手食品会社にて総合職として入社し、法人営業をメインに担当。 その後、人材ベンチャーの東京オフィス立ち上げのなんでも屋として勤務。 2006年から現リクルートにてリクルーティングアドバイザー、企画スタッフ、キャリアアドバイザーを経験。受賞複数。その間2度の産休育休を取得し共に復帰。リクルート卒業後は、国の事業に関わったり、ベンチャー企業で人事として採用企画、規程改訂、制度、労務など人事全般と、総務、秘書など色々経験しています。現在は株式会社クラウディオにて人事ディレクターとして人事全般を行っています。
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