大学院卒業後、新卒で株式会社リクルートに入社し、営業、商品企画、人事などを歴任したご経験をお持ちの三浦さん。三浦さんが人事というキャリアを軸に歩むことになったきっかけは、リクルートに入社する際の就職活動で出会った採用担当の存在が大きかったそうです。今回は、そんな三浦さんにとっての人事という仕事、やりがいについてインタビューしました。

採用担当の熱意ある言葉に感動し、リクルート入社を決意

——新卒で入社した会社の採用担当との出会いが人事のキャリアを考えるきっかけになったということですが、どのような出来事があったのですか？

新卒で就職活動をしていた当時、3社から内定をもらっており、最後2社のどちらに行くか悩みました。1社は元々目指していた業界だったコンサルティング会社、もう1社は人が魅力のリクルートです。正直に言うと、リクルートは第二志望だったんです。どちらの会社に行くか悩んでいた私に、リクルートの採用担当は毎日メールで連絡をくれました。

1カ月ほど会社を決めきれなかった私に、採用担当は「どちらの会社を選んでも後悔する。後悔したら私は全力で支えていく。どんなに悩んでもあなたのそばにいる」という言葉をくれたんです。

そんな言葉を、いち学生である私にかけてくれた採用担当の姿勢に感動しました。結局、それが決め手となってリクルートを選び、結果的に10年在籍しました。

——リクルートは第二志望だったのですね！そこまで心を動かすことができる採用担当は素晴らしいです。入社後は後悔しましたか？

しました（笑）。もともと、第一志望をコンサルティング業界としていた理由に「大きな仕事がしたい」と言う気持ちがありました。社会人になってしばらくして、コンサルティング業界に進んだ同級生の話を聞いたりすると、まさに大きな仕事に携わっていて羨ましく思ってしまうこともありましたね。

でも、私は「自分で選択した道を正解にする」という気持ちを持っていたので、どうにか自分の選択が良かったと思えるように働いていました。

東日本大震災が大きな転機に

——そんな後悔を乗り越えるきっかけになった出来事はありますか？

2011年に起きた東日本大震災です。当時、住宅情報系のサービスを扱っていた私の部署は、仙台支社の存続をかけたプロジェクトを発足しました。そのプロジェクトリーダーを任されたことが大きな転機でした。

震災直後の東北は、新聞も雑誌も止まり情報がありませんでした。そんな中でも家を流された人、新たな家を探す人はあふれていて、不動産会社は早期に営業することが求められていたんです。そんな「復興に向けて動き出している人々」を支えることができるであろう住宅情報のサービスも、いち早く再起動する必要がありました。

結果的に、リクルートの住宅情報誌は地元の新聞や雑誌よりもずっと早いタイミングで立て直しを図ることができました。地元の状況に合わせ、税制に関する情報やエリア情報を提示することで、復興に向けてスタートを切れる環境作りに貢献できたと思っています。

この経験を経て、私の後悔はなくなりました。コンサルティング業界はたしかに大きな仕事ではありますが、正解を探す要素が強いように思います。一方、私が経験したプロジェクトは災害という環境下で誰もが答えを持っていない仕事でした。仙台支社の存続を通じて、自社のメンバー、仙台に住む人々の人生にも関わる、とても責任の重い仕事をさせてもらったことで自信にもなりました。

人事には「覚悟」が必要

——最後に人事になりたての方や、これから人事を目指す方に対してアドバイスをいただきたいです。人事という仕事には、どんなことが求められているでしょうか？

人事という仕事には、覚悟が必要です。

その人との出会いで、相手の人生を変えてしまう可能性があります。面接であれば、相手の就職活動の選択を変える可能性があります。人事は自分自身が「会社の顔」として仕事をする心構えがなければいけません。

私自身が学生時代に体験したように、採用に関わった学生に「人生が変わりました」と言ってもらったこともありました。人の人生を変えてしまうような責任が大きい仕事だからこそ、やりがいも大きい仕事なので、ぜひ頑張って欲しいです。