「お祈りメール」を価値あるものに。企業イメージ向上につなげるために取り組んだこと
「お祈りメール」と聞いてどんなイメージを持つでしょうか。
学生にとっては企業からの不採用通知であり、せっかく貴重な時間を割いたにも関わらずメール1本で強制終了されるという良くないイメージがある人も多いはずです。
そんなお祈りメールを学生・企業双方にとって価値あるものにし、良好な関係を築くために私が取り組んだことをご紹介します。
「お祈りメール」も企業の公式的な情報発信と捉え、双方にとって価値あるものに変える
私の会社では、2022年度新卒採用からナビサイト採用をやめ、新しくダイレクト・リクルーティングと人材紹介を始めました。
採用のやり方を抜本的に変えた結果、「欲しい人材」にアプローチ出来るようになったため、母集団の質が高くなったのです。
一方、質が高くなった分、採用基準も高くなってしまいました。例年であれば内定を出したであろう学生に「お祈りメール」を送らなければいけなくなったのです。
せっかくスカウトや紹介を通じてご縁を持つことができた方なのに、形式的な「お祈りメール」で終わらせて本当に良いのか?という素朴な疑問が湧きあがりました。
そこで、お祈りメールをポジティブな情報発信と捉え、学生と企業の関係を良好なものに出来たら良いなと思ったのが、取り組みを始めたきっかけです。
学生ファーストで彼らの今後につながるお祈りメールを送る
これまではリソースをかけず形式的な冷たいお祈りメールを出していましたが、学生目線に立ち、メール文面を変えました。
1)不採用理由と高評価ポイントを両方記載
今後の就職活動に活かしてもらうために、不採用理由とその学生を評価したポイントを必ず伝えるようにしました。
例文)
●●様のお人柄や、当社で▲▲の仕事をしたいという思いを非常に高く評価しているものの、当社でご活躍の場を用意することが難しいという理由になります。
2)別企業への推薦を提案する
特に「日本で働きたい!スキルを身に付けたい!」という熱意ある外国の学生方に対して、積極的に別企業への推薦を提案しました。
少しでも彼らの力になってあげたいし、人手不足が社会問題になっている日本にとって、今後重要な存在になってくれるはずという想いがあったからです。
私にはCANTERAの仲間がいたため、CANTERA内のSlackで声をかけて興味ある人事の方につなぐことができました。
例文)
●●様のように、熱意がありスキルアップを望む方には是非良い企業と出会ってほしいと思います。
そこで、●●様を別企業に推薦できないか考えております。もしご興味あるようでしたら返信でその旨お知らせ頂けますでしょうか。
その結果、学生から「残念だけど今後につながる内容を書いてくれてありがとう、ぜひ推薦してほしいです」というご連絡をもらうことができました。
「お祈りメール」も企業イメージを向上する立派なチャンスになる
今回の取り組みを通じて、採用活動において重要なことは採用したい人に対する手厚いフォローだけではないということがわかりました。
不採用者の中には力をつけて中途採用で再チャレンジしてくれる人や、顧客になりうる人も当然ながら含まれます。だからこそ、ポジティブな締めくくりにすることで企業イメージを毀損しないように努めるべきだと考えているのです。
手間になるとしても、企業イメージ向上につながるのであれば取り組む価値あり!です!