営業から人事へのキャリアチェンジ体験談
はじめに
本記事はそんな人事の「じ」の字もわからなかった、想像もしていなかった私が、人事にキャリアチェンジをする前とその後。そして異動したら行うべきことについて書きたいと思います。人事へのキャリアチェンジをして不安に思っている方へ届きましたら幸いです。
キャリアチェンジをする前の人事のイメージ
正直に申しますと、私は異動の打診がありました際、素直に受け入れることができませんでした。
人事の仕事は人に関わり、経営にもより密接に関わる仕事です。そんな重要な仕事を任せてもらえること自体は、当時嬉しかった記憶があります。
その一方で売上を直接作る営業という仕事に対し、人事は裏方というイメージが強く、最前線から外れる感じがして寂しく思えていました。なにより、定量的目標に対し、自分の行動次第で結果がはっきりする営業という仕事が好きでしたし、やりがいも感じていました。
だからこそ、嬉しさより寂しさや不安の方が勝っていました。今考えると人事が何をしているかよく理解できていなかったことが、そうした要因の一つだったと思います。
営業から人事にキャリアチェンジして
不安でいっぱいの中、スタートした私の人事キャリア。この項ではこの1年でキャリアチェンジしてよかったことを、ここでは紹介しようと思います。
1.営業側と人事側の両視点を持つことができる
私は営業から人事へキャリアチェンジしたからこそ、一人で2つの視点を活かして業務を見ることが出来るようになりました。
人事に異動し最初に思ったことは、人事では事業側のことはあまり理解されていないということでした。
「なんでこのフローにしているんだろう」や「これはどういった目的で行っているんだろう」などの声をよく耳にしました。人事側で事業側へ理解がされないまま業務をしていると、お互いアンハッピーな結果を生むだけと思いました。
事業側の視点を活かし、人事に関する事項を自分なりに言語化することで、より業務をスムーズにすることができると思いました。
2.経営目線を交えて説明できるようになった
人事は経営と密接して仕事をすることが多く、経営戦略や経営視点を踏まえて考えたり、理解して業務を行うことが多々あります。そういった視点をもつようになったことで、営業にいた頃より引き出しが増えたと感じています。
3.視野が広がり、視座が上がる
営業にいたころは、どうしても自分の数字や自部署の状況ばかりに目が行き、視野が狭まっていました。また視座の高さもそう高くなかったと思います。
しかし、人事の仕事は会社全体を見なければなりません。視野を広げ、視座を上げる必要があります。営業にいた当時に比べ視野は圧倒的に広がり、視座も上がったと実感しています。
人事へキャリアチェンジしたら実施したこと
人事へキャリアチェンジして1年。この1年で感じたやっておいてよかったこと、意識すべきことをここでは紹介しようと思います。
1.人事の仲間をつくり、孤独からの開放
”人事は孤独だ”という言葉を耳にしたことがありますでしょうか。
人事の仕事は多岐にわたり全てにマニュアルがあるわけではありません。諸問題に対してその都度対応策に悩み、考えることが多いのが現実です。
しかし、その一方で人に関わる仕事が多いため、周りに話せる内容が少なく、社内でも必然的に相談する相手が限られてしまいます。悩みや考えることが多いのに、相談できる相手が限られてしまう。人事の仕事は思っている以上に、孤独な世界なのかもしれません。
だからこそ人事へ異動してきたら、まずは同じ人事の仲間をつくることをおすすめします。”同じ悩みを持つ人事は世の中にたくさんいる”ということを知るだけでも孤独感は解消されるでしょう。
実際に私は、異動3日目でCANTERA ACADEMYの勉強会を受講しました。勉強会も良かったのですが、それより良かったのはそこで人事の仲間を作れたことです。参加から現在に至るまで、悩んだ時に悩みを分かち合える仲間がいることで何度も救われました。
人事のことを理解するのも、もちろん大事ですが、まずは人事の仲間を作ることが、孤独な世界で打ち勝つ秘訣だと考えます。
2.事業側とのパイプを絶やさない
人事は「孤独だ」と散々述べましたが、孤独だからと言って閉め切って良いわけではないと思います。この話を聞いて、「いやいや、そんなつもりないよ」と思っている人もいるかもしれませんが、私たちが思っている以上に、事業側は人事への距離や閉ざされたイメージを持っていると思います。
だからこそ営業から人事へのキャリアチェンジは、それまで自身が持っていた距離感を払拭できた最大のチャンスだったと考えます。
なんとなく距離を感じていた人事と事業側を、どちらにも繋がりを持つ自分自身がパイプになることで、双方一気に距離が縮めやすくなる。
今では事業側から人事へ相談されることも増え、情報も双方に入ってきやすくなる。結果人事施策への協力度も変わっていきました。
人事に異動(着任)したら、より積極的に事業側と繋がりを持つように意識し、事業側の状況を自ら掴みに行く姿勢で業務に取り組みましょう。
例えば、人事部にある自分の席ではなく、敢えて事業側の空いている席で仕事をする。それだけでも事業側での空気の変化や今起きていることの把握に繋がるので、ぜひトライされることをおすすめします。