採用業務フローの設計

最終更新日:2020/07/06

Writing by:佐藤 薫

今回は、採用業務フローを設計するにあたって、持っておきたい視点をまとめました。 実際にどのように業務フローを設計するのかの「HOW」の部分については、比較的多くのTIPSが巷に溢れていますし、業務フロー作成ノウハウが詰まった書籍も数多く出版されているので、採用というファンクションにおいて、どういった視点をもっておくとスムーズなのかについてお伝えができればと思います。

業務フローとは何か? 目的は何か?

採用に限ったことではないですが、チームで円滑に仕事を進めていくにあたって「業務フロー」の設計は非常に重要です。

そもそも「業務フロー」とは、現場で行っている業務プロセスを可視化するためのツールのことで、簡単に言えば「利益を生むための仕事の流れ」です。ここで大事なのが、「利益を生む」という点。少ないリソースで大きなインパクトを得るためには、全ての行動に意味がなくてはいけないし、そこに対して、チームメンバー全員が共通認識を持っていなければなりません。

最近では、営業やマーケティングといった部署においては、こういった科学的管理が当たり前になりつつある一方で、人事の世界はまだまだ属人的です。仕事の属人化は、長期的な目線では、組織にとって大きな損失となり得ますから、早いタイミングでいかに脱属人化を達成できるかが、組織成長の肝になるというわけです。

「PDCA」よりも「CAPDo」

採用業務フローの設計には、「PDCA」よりも「CAPDo」のフレームワークで考えるのがお勧めです。

「PDCA」とは、皆さんご存知の通り、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)のサイクルを繰り返し行うことで、継続的な業務の改善を促す技法となります。「PDCAサイクル」という言葉が表す通
り、最後のステップである、Action(改善)が終了したら、また最初のPlan(計画)に戻って、4つの活動を1つのサイクルとして、これを繰り返し行うことによって、改善活動を着実に進めてゆこう、というものです。

お馴染みの「PDCA」は、新しい取り組みをする際に使用するのに適していますが、すでに出来上がっている業務の改善には実は、「CAPDo」の方がよりしっくりきます。

「CAPDo」とは、「PDCA」を応用した手法で、最初に問題を把握(Check)し、改善案を検討し(Act)、計画を立てて(Plan)、実行する(Do)ことで、改善の実現性を高めていくというものです。「PDCA」では、最初に計画を立てなければならないですが、「CAPDo」では、現在の業務や既存の仕組みを把握することから始めますので、改善活動に適しています。よりスピード感を意識することができるというわけですね!

特に、採用業務のようなものは、これまでの既存のやり方があることがほとんどですから、まず初めは、問題の把握(Check)からというのも、しっくりきます。

前提条件としての「事業理解」と「業務理解」

人材エージェントとして企業様の採用活動のサポートをしていた時も、事業会社の人事として採用を回していた時も、どちらでも感じていたのが、「事業理解/業務理解なくして採用成功なし」ということです。
日本の人事部の多くが抱える課題の一つが、まさにこの「事業理解」と「業務理解」の乏しさにあると考えます。

【中途採用戦略立案】の記事の中でもお伝えしましたが、まず「事業理解」が全ての土台になりますので、リーンキャンバス等のフレームワークを活用しながら、根幹の理解を深めていきましょう。そして、「業務理解」については、現場と真摯に向き合う中で自然と身についてきますので、現場との日々の対話は馬鹿にできません。

現場を巻き込んだ業務フローを設計する

人事の仕事というのは、「人事部だけ」で完結するものは、ほとんどありません。採用活動においても、複数のステークホルダーとともに、多くの時間とコストが必要となりますし、それが故に、採用業務フローの設計の際には、「経営」「現場」それぞれをステークホルダーに加えた上で、現実的な設計を進める必要があります。

最近では「スクラム採用」というような言葉も出てきていますが、現場を上手に巻き込めない限り、採用が成功することはないでしょう。
ですから、採用業務フローを設計する際には、「誰が」「いつ」「どんな作業を」「どのような場合に」行っているかを端的に表しているものでなくてはなりません。

Employee Journeyの観点で考える

Employee Journeyという考え方は、近年日本でも少しずつ定着してきているように思いますが、元となっているのは、Costomer Journey(顧客がどのように商品やブランドとの接点をもって認知し、関心を持ち、購入や登録に到るのか、というプロセスを旅に喩えた言葉。)

Costomer Journeyを可視化して分析することで、マーケティング活動の最適化をはかることが必要とされていますが、最近では、「採用マーケティング」という言葉が示す通り、人事の世界にもマーケティングの要素が入ってきています。

似たような言葉で、EXとCXがあります。
EX(Employee Experience=従業員体験)とは、従業員が会社の中で働くことを通して得る全ての経験のこと。
終身雇用の崩壊、働き方や価値観の変化といった時代の変化の中で、企業としては、従業員に自社で働くことで得られる価値をこれまで以上に提供しなければ、優秀な人材は集まらなくなっています。

また、「採用活動」においては、CX(Candidate Experience=候補者体験)がよく叫ばれていますが、CXとEXには一貫性が必要であり、個人的には、CX+EX=Employee Journeyだと捉えています。

今回は、採用業務フローを設計するうえで抑えておきたい考え方のポイントを中心にお伝えしてきました。実際に、採用業務フローを見直されたいという場合は、壁打ち相手になりますので、いつでもご連絡いただければと思います。

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執筆者

佐藤 薫

CANTERA ACADEMY4期卒業。

大学卒業後、大手アパレル企業→人材エージェント→外資物流企業→ITベンチャーを経て6月よりフリーランスに。BizDev出身で、人事にキャリアチェンジをし、人事歴としては4年ほど。「現場→人事」という異色のキャリアの私だからこそ伝えられる視点を活かして、「事業を伸ばす人事」実現のために奮闘中。

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