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変化の時代。成果のために「学び」は不可欠

変化の時代。成果のために「学び」は不可欠

これからAIが進化すると、今私たちがしている仕事のうち、ある程度の割合はテックに取られるでしょう。英オックスフォード大学と野村総合研究所の共同研究によれば、2025〜2030年には日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で、代替可能になるとされています。失業するのを免れるためには、人は学びを経て、成果を出せるようにならなければなりません。テック対生身の人間、という構図になったとき、人間の学習能力を高めることが、必要に迫られるようになります。

一方、2021年現在の人事関連の状況を見てみましょう。コロナ禍において、計画通りに成長している企業の数は激減しましたが、それでも日本の法律上、正社員雇用の対象者には大きな責任が生じます。簡単には解雇できません。正社員には、これまで成果を出し、アピールポイントとしてきたのとは違う職務が求められることが、これから当たり前に起きると思います。そのように役割が変わる時には、人事が本人の資質や志向を把握し、的確なラーニングを提供することが必要です。

 

限られた時間の中で的確なラーニングを提供する環境が求められる

現代では働き方の多様化が進み、どこで働いて自分の目的を叶えるのかを、自分で選べるようになってきました。一方で、その状況で成果を出すには、卓越したスキルや経験が必要です。さらに、成果を出すまでの期間も「半年のうちに」ではなく「明日にでも」と言われるような、短期の仕事が多くなってきます。

そんなとき、限られた時間の中で、学びを経てどこまで成果に近づけるか。たとえ本を3冊読んだとしても、参考になることは2行しか書かれていないかもしれません。的確で効率的なラーニングで成果に近づかないと、淘汰されてしまいます。
良質なインプットとは、良質な情報がどこにあるのか見極め、それを成果に紐づけるように学ぶこと。そのためには、的確なラーニングスタイルを取ることが重要です。
企業側も、先の見えない現代では長期的な目標が立てづらく、目標設定後はわずかな時間で成果を出さなければなりません。そのためには社員に、的確で生産性の高い教育を提供する仕組みが必要です。

また、テレワークの急速な普及が広まり、リモート環境下にある社員に成果を出してもらうための教育は、今までのやり方では絶対にできません。
成果を出すために適切なラーニングのできる環境づくりが、企業の存続、社員の活性化において重要となります。人材開発は文字通り、人材を「開いて」、そこから「発信する」こと。つまり、人材の現状を明らかにし、そこから一つ上の段階に上げるということです。

しかし、ほとんどの会社では、研修に投資して社員が教育を受けても、本当に成果につながっているかどうかわからないのではないでしょうか。なぜなら、そのほとんどは集合研修で、皆が一斉にスタートし、同じ内容をインプットするものだからです。その人の資質や現状を理解して、つまりその人を開いた上で組み立てられたような、個別最適なものではありません。オンライン研修に切り替えたとしても、従来通り一律に同じ内容の教育をしていては、本質的な学習の方法は集合研修と変わりません。 e-ラーニングなどで、一人ひとりがプログラムを選択して受講できる場合もありますが、その際には社員自身の興味があるものを受けることになっていることが多く、組織の目的から逆算したものにはなっていないのです。

また、社員の教育を継続的にデータ化できている企業は、ほとんどありません。人材の採用時には履歴書、職務経歴書などで、さまざまなデータを取得すると思います。しかし、それを生かしてどう教育していけばいいかというように、連携して考えられてはいません。
入社後に異動情報などのデータが追加されたとしても、どんな学びを経て、その理解度がどれほど上がったか、どこまで習熟して継続できているか、どこまで成果につながったかというようなデータは取れていないのです。データを一体化させて一人の社員を底上げすることが、まだまだできかねているところがあると思います。

 

社外での学びも含めてマネジメントが必要

データを取るべき学びは企業研修だけではありません。仕事現場での上司の説明や教育などのインフォーマルラーニングもあります。さらに、社外での学びもあります。多くの人が、会社以外の場所や時間で学びのほとんどを得ています。
企業にとってはこれほど怖いものはないとも言えます。本人がどう成長しているのか、把握出来ていないので、その成長を仕事で活かすことができず、達成感も感じさせられず、いつ辞められてもおかしくないのです。

弊社のある社員は、社外のオンラインコミュニティで勉強会に参加したり、プレゼンをしたりしています。私はそれを把握できているので、適切な業務のアサインができます。「そういうプレゼンをしたのなら、うちのこういうプレゼンも頑張ってもらえる?」とオファーできれば、会社での成果が近づきます。こうしたことは「ラーニング・マネジメント」とも言えるでしょう。

Written by

horio
CANTERA責任者 兼 講師 (株)All Personal代表取締役CEO 1973年北海道生まれ。1994年(株)リクルート入社。2004年ソフトバンクBB(株)入社。ソフトバンク通信事業3社を兼任し、営業・技術統括の組織人事責任者に従事。2012年グリー(株)入社。国内の人事戦略、人事制度、福利厚生、人材開発の責任者を歴任。2014年より東京東信用金庫に入庫し地域活性化に従事。2017年6月(株)AllDeal創業。2018年11月、(株)All Personalに社名変更。
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