【採用面接官向け】ジャッジとアトラクトに必要不可欠なものとは?
中途採用を4年間担当している中で、約3,000名の転職希望者と面談や面接をしてきました。
社内の「ジャッジ精度をあげる」、「クロージング力を高める」という課題に向き合っていた結果、採用人数目標を達成できるようになり、かつ活躍人材も増加するという現象が起きたのです。
その際にポイントだったことは、「ファクト」がいかに正しく多く回収できているかということ。面接の目的は「ジャッジ」と「アトラクト」ですが、ジャッジとアトラクトをする上で必要不可欠な「ファクト回収」について今回はお届けいたします。
そもそもなぜ、ファクト回収が重要なのか?
ファクト回収が重要な理由は、ファクトが回収できていないとジャッジ(判断)も、アトラクト(魅力付け)もできないからです。当たり前のことかもしれませんが、実際に面接官トレーニングなどの経験を通しても、ファクトを正しく多く回収できていないことが多発します。
例えば、候補者に「一番成果をあげたエピソード」について伺ったとしましょう。候補者からは、「前年比売り上げ120%増で、利益率も10%改善しました」と返ってきたとします。
これを聞いて、「目標達成できているな」と感じて深堀りをせず、全く別のテーマの質問にうつる方もいるのが現状です。
では、この場合、どんなファクトを回収したら良いでしょうか?
例えば、
・業界自体の景気の動きがあり得るためどのような製品やサービスを提供しているのか
・営業の再現性や問題に直面した際の考え方を知るために、売り上げ120%増が偶然の結果なのか、試行錯誤を経て出せた成果なのか
・目標設定難易度を知るために、営業組織の人数や営業部の平均目標達成率
などです。
このような情報を聞いていくと、聞けていなかったファクトがどんどん出てきそうな印象はありませんか?
ファクト回収ができるようになる事前準備として必要な3つのポイント
ファクト回収ができるようになるために、事前準備で必要な3つのポイントを紹介します。
1.バイアスが働くことを理解した上で、面接に臨むこと
過去に内定になった方と近しい経歴だと、お会いする前から、期待できる人材なのではないかと考えてしまう。こういうことあるのではないでしょうか。
面接時にはバイアスが働きやすく、防ぐことはなかなか難しいものです。ですので「バイアスがあることを意識して面接に臨む」、上記のような思考になったら、「ご本人と向き合いお話を引き出すことに集中する」というスタンスでまずは臨んでみてください。
2.ジャッジ観点を明確にした上で、事前に質問を用意しておくこと(構造化面接等)
1回あたりの面接は短いからこそ、どんな観点をジャッジしたいかによって、深堀りしていくポイントを見極めることも面接官の力量になります。
例えば、コミュニケーション力をジャッジしたいとした場合、どんなコミュニケーション力をジャッジしたいのかを事前に明確にしておくことが必要です。
・置かれた立場が異なる方々の間に立って物事の意思決定をするポジションだからこそ、どちらからも意見を回収しつつ着地点を提案して、双方が納得する意思決定を促せるような立ち振る舞いやコミュケーションが取れるというコミュニケーション力を判断したいのか
・接客業で1対1の対応の中、かつ数分という短い間の中でお客様のニーズを聞き出し、問題解決や提案ができるというコミュニケーション力なのか
コミュニケーション力と一言で言っても、そのお仕事の特性や社内の特徴などによって求められる力は異なります。そのため、あらかじめジャッジしたいポイントを明確にできているとファクト回収がしやすくなるのです。
3.採用したいポジションの業界状況、業務内容、目標、活躍人材の特徴や実績などを理解できているか
例えば、営業職のポジションの面接をしたとします。その営業職ポジションのKPIや活躍している方の特徴・活躍している理由は言えるかどうか、考えてみましょう。
同じ営業職で残している結果は一緒だったでも、アプローチが違う可能性があります。活躍している方の中にも特徴や違いがあり、共通項ととなる要素はどんな点か。こういう視点をもった上で、面接に望むと面接で深堀りした方がいいポイントのあてがつけやすくなります。
ファクト回収するために面接当日に意識すること
ジャッジは面接終了後でもできます。だからこそ、面接当日はいかに多くの正しい情報を回収するかに集中することが大切です。
またファクト回収はジャッジだけではなく、アトラクトにも必要不可欠な要素となります。
どのような意思決定をする傾向にある方なのか、どういう情報を提供できたらお互いにミスマッチを防ぎつつ納得した意思決定をしていただけそうか。これらを実現するためにはやはりファクトが重要となります。
面接担当者は「ジャッジ」も「アトラクト」も常日頃担当されているかと思いますが、ぜひ、今回の視点をもってご自身の面接を振り返ってみてくださいね。
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